「またひとつ、悲しみが、増えて。
僕は、それを、記憶に刻む。」
「またひとつ、苦しみが、増えて。
僕は、それを、記憶に飲み込む。」
「またひとつ、喜びは、消えて。
それが、ぼくを、 襲う。」
「またひとつ、幸せは、死んで。
それが、ぼくを、 殺す。」
「吐き出せない思いが、僕を殺していく。」
「ねぇ、声を、聴いて?僕は、ここにいるよ。」
「またひとつ、怒りが、 増えて。
僕は、それを、記憶に焼き付ける。」
「またひとつ、痛みが、増えて、
僕は、それを、記憶に終う。」
「そうやってまた、きみを忘れて、
そうやってまた、ぼくは、消えてく。」
「ねえ、ここに、いるよ、ぼくは、ここにいるよ」
「ねえ、ほら、ほら、まだ、まださ、笑えるでしょう?」